大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ネ)2632号 判決

公職選挙法により被控訴人の行う放送には、政見放送、経歴放送及び選挙放送があり、前二者についてはすべての立候補者に対し同等の利便を与えなければならない(公職選挙法一五〇条、一五一条、放送法五二条参照)が、選挙放送すなわち選挙に関する報道又は評論については表現の自由を濫用して選挙の公正を害しない限り放送法の規定に従って放送番組を編集する自由が保障されており(公職選挙法一五一条の三、放送法一条、三条参照)、選挙に関する報道又は評論が一般視聴者に選挙戦における情報を提供するものである以上、一般視聴者の関心の動向に応じてその内容が編集されることは当然であり、また止むを得ないところである。

そして、前記≪証拠≫によると、前記都知事選挙においては、前記認定の選挙結果が示すように、その支持政党、経歴等から鈴木、松岡両候補が世上最有力な対立候補と目され、そのいずれかが当選するものと一般選挙民の関心を集めていたことが認められるから、仮に控訴人主張のように、被控訴人がそのテレビ、ラジオの各放送番組において控訴人を取上げず、鈴木、松岡両候補者のみを取上げて報道した事実があったとしても、右をもって憲法、公職選挙法に違反する違法なものということはできない。

(岡垣 小川 佐藤)

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